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介護日記 (147) 〜大事な事は目には見えない〜

島はお大師さんの行事で賑わう、花の時期が来た。姫ひまわりの花が咲き乱れ、蝶が舞う。

なごみの里の寝たきりの幸齢者様にとっても、1 年で一番楽しい時。

産まれでた、その時から毎年繰り返されている、この行事に参加することの意義は、故郷を離れて暮らす私達だからこそ、余計にわかる気がする。お一人おひとりの幸齢者様の環境、体調等を考慮しながら、幸齢者様御自身に如何なさりたいかを問う。

そのお一人、伸子さん (90) 。息子さんを亡くし、お嫁さんが唯一の介護者。お嫁さんも 70 歳を数え、腰が悪く、里での暮らしとなったのが 2 年前。昨年は車椅子で帰宅。仏前に手を合わせ、疲れたからと自分の部屋に行く。体を休める為にベッドを探すが、自宅にはもう横になる場所はなかった。その無念を胸に、里に帰られ、 2 人で涙したものだ。

今年はそんな思いをされない様にと事前にお嫁さんと良く話し合う。今年はただ 1 人の孫も帰村、 1 日泊りで快く伸子さんの帰宅を受け入れて下さると言う。

「私もこんな体でなかったら、ばあさんにはここに居て貰いたいですよ。私もたった 1 人の息子を 19 歳で亡くし、ばあさんもたった 1 人の息子を亡くし、 1 人です。ばあさんの気持ちはよく分るんですよ。まあ、ばあさんには言わんのですがね」と静かに言うお嫁さんの胸の内に手を合わせた。

伸子さんにお泊りで帰ることを伝える。「良いかね。嫁にすまんな。本当に家に帰って良いかね」と何度も念を押す。その目は喜びに潤んでいた。

例え、なごみの里にその身を置かれたとしても、家族の大切な一人であることにかわりない。面倒をみた相手にはいつまでも責任があるとある本の中にあった。本当に大切な事は目には見えないことと教える幸齢者様に感謝、合掌。

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