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介護日記 (153) 〜母は天使となって〜

今日も冷たい凛とした風の中にも穏やかな、幸齢者様の笑顔で始まる。

今日の祈り
今日一日幸齢者の方々に仕え
小さな事に真心を込めることが
日本の幸齢者様の幸せへとつながる事を
祈って働きます

この言葉がなごみの里の中に響き、朝の元気を高める。

そんな里に 1 本の電話が入る。

「おばちゃん。敬だよ。僕はばあちゃんの事、なんにも知らんかった。ごめんね。おばちゃんの本(『死なないで下さい』)の中の一節を、授業の中で使ったよ。子供達に”生”を教えるのは”死”を語らんと分からないから。でも僕もおばあちゃんの死から逃げてた。子供達には身近な人の死から逃げて欲しくないから、この本を授業に使ったよ」

『死なないでください』は私の母の最期を親族一同で支え、母の思い通りの最期を看取った話を書いた 1 冊。

中学で教師をしている甥が久方振りに電話をしてきたのだった。誰よりも私の母に可愛がられた初孫の敬。今も母におんぶされて、笑顔で得意そうな彼の顔が私の目に残る。他の甥、姪が母の最期に手を握りしめて共に支えてくれたのにもかかわらず、彼だけは仕事が忙しいと言い、終に、その時を失った。私は臨終を聞いて駆けつけた彼にこう言った。

「一番大事にして貰ったのに、生きているうちにばあちゃんの所に来てあげて欲しかった」と。

今、彼はそんな自分を責めながら、子供達に自らの非を正直に詫び、子供達には正しい事を伝えたいと言う。 5 年の歳月を経て、母がまた、 1 人の孫の心を変えた。

先日の講演会の後、小学 6 年の児童に「人は身体を亡くし、良い心と魂は何処にいくの?」と問うと「子孫」と答えた児童がいた。この言葉の通りに母の魂は時を越えて孫の心に届く。

母は死してなお、私達を導く天使として縁ある者の傍にいると教える。こんな素敵な母に感謝、合掌。

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