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介護日記 (180) 〜心を無にして〜

雪の深い北海道に、内観研修の為に向かう。

研修に参加したのは、30代から70代の7人。母から受けた愛を想うその2日目。研修の合間に大石邦子さんのエッセイを朗読する。「雪」と題したその話は、ある雪の夜の母と子の話。

橋の袂で妊婦である女性は一人陣痛に襲われる。橋の下に降り、一人男の子を産む。彼女は自分の服を全て脱ぎ、赤ん坊を幾重にも包む。翌朝、発見され、子供は友人夫婦に育てられる。そして12歳の彼は母の墓前に参る。母の墓は雪に埋もれている。彼は雪を払い、自分の着ていた服で墓を包み始める。着ていた物全てで墓を包むと、震えながらこう言った。

「お母さん、僕の為にこれよりも、これよりも寒かったのですね」

この話を終えると75歳の女性が泣きだす。「母の最期に愛を返す事が出来なくて、母は命がけで私を産んでくれたのに……」と。

「大切にされすぎて、心が鈍くなっていました。ごめんなさい。お母さん」こう言う50代の男性。

親が親であり、子が子である事の意味。雪の夜、一睡もせずに喘息で苦しむ私を抱きしめて「この腕の中で」と泣き続けていた母を思う。命がけで私を産み、命がけで生きる事、死ぬ事を教えた母の慈愛。その身を使って、母の限りある時間を使って愛する事を教えた母に感謝 合掌

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