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介護日記(226) 〜悲しみを愛にかえて〜

南天の赤い実が、美しい雪の中で新春の輝きを語る。

年末に、私は花育家の森直子先生とトークライブを行った。その中で、森先生が「この花は動けない、話せない、だからこそやさしく美しく飾るようにと心がけています」と言われる。

ふと、なごみの里の幸齢者様を思い出す。私が講演会で東京の旅に行く時、決まって私はこう聞いた。

「ばあちゃん、おんぶして一緒に東京に行こうか。東京は賑やかでとても楽しい場所だよ」

そんな私の言葉に答えて、幸齢者様は必ずこうおっしゃった。

「お前に迷惑をかけるから行かない。待っているよ。でも早く帰ってきてね。東京はとても危ない場所だから。講演会が終わったらすぐホテルに帰りなさい。外にいてはだめだよ。早く帰ってきてね」

そう何度も念を押されたものだ。

動けない。そんな身体で小さなベッド上での暮らしはどれほど孤独だろう。ある老人ホームで「誰でもいいから一日一回でも外に連れて行ってくれると嬉しいね。ここにいるとボケそうでね」と話されたことを思い出す。

森先生が花を愛おしくパフォーマンスで飾られるたびに私の心は切なかった。施設に入所なさっている幸齢者様は80万人。お一人おひとりのお幸せを祈りながら涙した。ある本の中はこうある。「悲しみの涙は愛のエネルギーに変わる」と……。

こんな尊い事をその身をもって教えて下さった幸齢者様に感謝 合掌

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