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介護日記(228) 〜慈愛の世界に導かれて〜

なごみの里では、今日も胎内内観研修が行われている。

胎内、それは誰もが父母と神仏に愛された慈愛の時間。十月十日、胎内という慈愛の世界にいたことを思い出し、その時の愛を感じることで自らの中に確かな愛を確認する研修。その研修の最後の時間。母にあてて手紙を書く。

ある研修生さんのお母様は、認知症で施設にいらした。

「認知症が進み、話しかけても、自分の世界の中でのおしゃべりに忙しい母。ゆっくりと心を込めて、研修中に書いた母への手紙を読むと“お母さん”“ありがとう”“大好き”“生んでくれてありがとう”という言葉には反応し、私の顔をみて涙ぐんでくれました。でも、すぐにまた自分の世界へと帰って行きました。一瞬でしたが、母と娘に帰れました。

その日私の娘は、友人宅に遊びに行っていて終日留守でした。帰ってきた娘に『お母さん今日、おばあちゃんの所に行ってきたの。ずっと行けないって悩んでいたけど、昨日米子で胎内内観をして、悩みが解決するようになったの』と言うと、娘は黙って私をギュッと抱きしめてくれました。まるで母が子供を抱きしめるように」と喜びの便りが届いた。

そして、その数日後、「母が亡くなりました。どうにか会いに行き、一生懸命手をさすっていました。亡くなる前日は、あんなに惚けて私の顔も名前もわからなくなっていたのに、『恵美ちゃん』と正気になってくれました。最期は、私と二人きりの時に亡くなりました。この身体のどこにそんな力が残っていたのかと思うくらいの力で私の手を握り、逝きました。お互いにしっかり手を握りあい見送れました。とっても心が通じあった気がしました」との連絡を頂いた。

握りあった手を通して、最期まで積み重ねた魂のエネルギーを手渡して下さったお母様。全てを許し最期まで愛を捧げる母の偉大さをまた教えて下さった幸齢者様に感謝 合掌

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