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介護日記(231) 〜生きていく力〜

野萓草の花が、私にやさしく生きよと教える。

講演会の席上、母を自宅で幸せに看取った女性が話して下さる。もう随分前の事なのに、昨日のように熱く語られる。

「母は亡くなる二日前、柴田さんと話し、死の恐怖がなくなったと言い、とても穏やかでした。その日まで、心の行き場がなくて死の恐怖に心がおびえていたのです。でも、長年許せなかった人がお迎えに来てくれたと知り、母も私も救われました。私自身も夜ゆっくり眠ることが出来ない日々でしたが、柴田さんに『普段通りの暮らしをすることがお母様の望みです。寝て下さい』と言われ、その夜から眠れるようになりました」

最期の時、その女性はお母様のベッドの上にあがり、お母様をその両手に抱いて看取られた。穏やかで安らかな旅立ち。家族みんなが身体をさすりながら、「お母さん。ありがとう」と涙する中で、お母様は人生を完成された。自らの葬儀の準備をし、娘のこれからの生活を思い、見事なまでにそのシナリオを作り旅立たれたお母様。静かに笑顔すら浮かべて、お母様の美しい人生の完成を興奮気味に話される娘さんの顔が、眩しいほどに輝いてみえた。

一番大切なことは目に見えない――二度と会うことができなくても、空を見て、星を見て、その人の笑い声や笑顔を思い出すことができる時、人はどれほど心が慰められ、生きていく力を与えられることだろう。生きる者は死者によって生かされ、死者はまた、生きるものによって生き続けていくことができることを教えられる。

生も死も同じ所にあると教えて下さるお二人に感謝 合掌

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