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看取り士日記 (278) 〜時が満ちて〜

野原一面の白詰め草の花が希望や幸運の運んでくれる季節になった。 もう10年以上も前からご相談を受け続けている介護者の61歳、女性からのご相談。

「柴田さん、母が食事がとれなくなった。 眠る時間が増えたの 。後1ヵ月かもしれないとわかっているけど希望を捨てたくないの。周りの人たちは私に受け入れなさいと説得する。この気持ちをどうすれば理解してもらえるの?」

困惑の想いがあふれ、泣きながらの相談だった。

「横になるね」と直ぐに眠る。

「お母さん、起きて」と背中に手を入れると「起きてるよ。大丈夫。まあーだ、死なないよ」と微笑みを返してくれる。その繰り返しとおっしゃる。

「でも施設の人は『もう充分ですよ』と説得される。それがとても辛い」と涙があふれていた。

母と子。私も母を看取り、子の辛さを知る。胎内にこの命を宿し、十月十日を母の一部として生きてきた子ども達と、一時を共にした介護の方々と同じはずは無い。子供達も母の旅立ちを前に、出産に臨む母のように時が来れば覚悟ができるもの。「あなたの想いのままに寄り添い、悔いの無い時間にしてくださいね。あなたのお母様だもの。宝物を大事に抱きしめることは誰も止められない。大丈夫です」と伝えると笑顔が戻る。

看取りの活動をして27年。この尊い場面を1人でも多くの方に理解していただきたいと今年は時が満ちて、映画制作に力を入れている。

旅立たれた方々の深い慈愛の中で生かされていることに感謝 合掌

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