『看取り士』養成講座

はじめに

現在、厚生労働省が掲げる政策の中には在宅医療の拡充が基本方針に盛り込まれており、また多くの国民も『住み慣れた自宅での最期』を希望しています。しかし、実際のアンケート結果はそれに反し、身体機能や認知機能の低下時には、病院や施設へ移ることを希望する結果が出ています。その理由の背景としては『在宅での療養は家族に迷惑がかかる』ことや『単身では看てくれる人がいない』などを挙げることができます。

その現状からの脱却のため、現在では在宅医療と地域との連携など、様々な試みが行われており、おおまかに言って、死の瞬間を迎えるまでの間の「尊厳の保持」「QOLの向上」「全人的な痛みの緩和」を目的としているものが中心です。しかし、私たちは死にゆくまでの間「こころ」「魂」に寄り添う存在が必要であると考えます。

旅立たれる時、人生を憂い悲しみに満ちた最期を迎える方もいらっしゃいます。身体的なケアとともに、心の声に耳を傾け、共感することも必要不可欠です。

自分の人生は苦難の連続だったが、良いこともたくさんあった。幸せな最期だ。

そう実感していただくことが、「看取り士」の役割です。これからのターミナルケアを支援するチームにおいて、必要不可欠となってくる人材です。

看取り士に求められる資質

看取り士に求められる資質
礼儀・作法日々の暮らしの中で、全ての人やものに対して敬愛の心と感謝の気持ちを持って接すること。
人としての「ちから」相手を思いやり価値観を尊重して、常に笑顔で相手の話に耳を傾け、相手に不快な思いをさせない態度をとること。
自己理解自らの長けているところやかけているところを素直な気持ちで受け止め、改善点を常に意識し、前向きに努力を行うこと。自分の事を誰よりも愛おしく思い、大切にできること。
死生観人が死んだらどうなるか?どこへ行くのか?死後や死者をどう捉えるか? 生についての人々の考え方や理解の仕方。生きることとは何か?死ぬこととは何か? を体系的に理解できること。

礼儀・作法

礼儀作法というものは、ある程度の知識と経験で身につけることができます。しかし、より大切なことは日常の「心の持ち方」です。

心の声を聴かせて頂くためには、自然から発せられる音に敏感であることが必要です。つまり、風や木々のざわめきなど、自然から湧き出る変化を五感を使い聴くことが必要となります。それは、生活の場を掃き清め、季節の移ろいを肌で感じ、風の音に耳をかたむける。感受性豊かに周囲で起こる出来事を捉えることができるようになることからはじまります。

そのために、下記のことを自らの力のみで行うことを習慣づけることが必要です。

  1. 住まいの清掃
  2. 神社・仏閣の清掃奉仕
  3. 料理
  4. 洗濯

人としての「力」

礼をもって相手に接すること。相手を尊重し、かけがえの無い存在として大切に扱うことです。

そのためには、「心」を磨くことが大切です。茶道・華道・書道・写経を習得することにより、先人たちのこころを学ばせて頂く事で、人として「穏やかなやさしさ」を生み出します。これにより、心が研ぎ澄まされることとなります。

自己理解

人の気持ちの変化やその時の状況を敏感に察知し、対応する力を養うことです。それは、身体のみならず心の変化をも含みます。そのためには、自らのことをよく知り、そして、大切に思うことが必要です。その手法として内観研修を行います。

死生観

死生観は生き様や心の有り様によって変化するものです。自らが「死」に対して「どのような考え」と「その向き合い方」をさせていただくのかを、論文形式でまとめます。

仕上像

看取り士は見送らせて頂く方から「無償の愛」を頂きます。その愛に応えるため、来世とこの世の橋渡し役を行います。これから行く先で迷わぬよう先人の心を感じ伝えるのです。

自身の死を感じ取ったときから、その方は神仏に姿を変えます。その瞬間、心と心を通い合わせ、看取り士がその場の空気を感じ「心の橋渡し役」を担います。その時を見つめ、傍らの家族にその方を抱いていただくことで、次第に心が家族にも伝わり、流れる空気を感じ取るようになっていきます。そして、無言のうちに心と心を通い合わせ、その方の死をも受け入れることができるようになります。

開催日程・お問合せ先

募集中の研修内容一覧ページに日程を掲載しておりますので、ご確認のうえ、一般社団法人なごみの里までお問合せください。

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