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親愛なるあなたへ (9) 〜気付かせてくれて、ありがとう〜

今日の島は雨。窓の外には冷たい雨が幾つも幾つも海に落ちていく風景が見えています。こんな日は、いつも聞こえてくる鳥のさえずりもなく、里にはとても静かな時間が流れます。

穏やかな風景の中でしとしとと降り続ける雨を見るとはなしに見ていると、自然と心の中にこんな想いが広がりました。この一粒の雨は私。空から海に届くまで、それがこの世の人生。海はあの世の世界。私は数多くの雨粒の中の一粒に過ぎず、そして雨粒が海に落ちるまでの時間なんて、ほんのわずかです。ならば、この人生を幸せに微笑んで生きていこうと。

私の元に、今日も憂鬱なメールを下さったあなた。

「今まで仲の良かった友人が、人が変わったかのように攻撃的な態度や言葉をぶつけるので気が病んでます。どうしたらいいですか」

小さな頃、父にこう教えられたことを思い出しました。

「くんちゃん。腹が立ったら、口を開く前にまず 3 分待ってからものを言うんだよ。そうすると、きっと優しい言葉で話せるからね」

トゲのある言葉に対し、トゲのある言葉を返したら同じことになります。そして人は激しい言葉に対しては、ついついすぐに反応してしまうものです。でも、感情的になれば、相手も同じ。それで解決することなんて、ひとつもありません。

人の命が海に落ちるまでなんて、ほんのわずかな時間。それでも、人の心は移ろうものです。

心の奥深くで呼びかけましょう。彼女の良い心に。私達はみんな良い心を手にして生まれ、今も心の奥にしっかりと持っているのですから。

その場はじっと待ち続け、彼女の幸せを祈りましょう。目を閉じて静かに手を合わせ、彼女の笑顔を思い出しましょう。傷付いた自分の心の中から少しだけ離れましょう。

祈りながら待つ事で時間が、きっとその問題を解決してくれるでしょう。あなたが彼女の幸せを思った祈りの時間、それはあなたから彼女への愛そのものなのですから。

怒りの感情もトゲのある言葉も、誰もが持っているものです。彼女だけではなく、あなたも、そして私も持っています。

今、あなたの知っている彼女から出ているトゲ。けれども、それはもしかしたら、あなたから出たトゲなのかもしれません。彼女の態度や言動を落ち着いて考えながら、それらを彼女のものではなく、自分のものとして向き合った時、そのことを許すことができるようになると思います。

あなたは心の中にどんな種をまきますか?

トゲの痛みに悲しんだ今だからこそ、感謝という種を蒔いて美しい幸せの花を咲かせませんか?

美しい花が咲いて、それが幸せだから感謝する。そうではなくて、今日、感謝という美しい花の種を蒔くことで美しい幸せの花が咲く。私はそう思います。

だから、心を落ち着け、目を閉じて、ゆっくりと彼女の笑顔を思い出しながら、心の中で想って下さい。

「気付かせてくれて、ありがとう」と。

いつも私はあなたのそばにいます。あなたの幸せを祈りながら。きっと今日より良い明日が来ると信じて。ありがとう。あなたの存在に。 

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