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介護日記 (122) 〜良心を磨いて〜

一年の中で最も賑やかなお大師さんの日がやってきた。 100 年以上も続く村民、皆の行事である。村の子供達もこの日ばかりは、朝から先生と各集落を周り山のような御馳走を食べ歩く。

「はー。食えや。美味いぞ。今日は食べるが供養だからな。 もっと食うだー」

沢山の大人達の声につられ、もう食べられない程に食べ過ぎるのは、子供達ばかりではない。

車椅子を押しながら、正さん (88) とお堂に行く。崩れかけたお地蔵さんに手を合わせる問も待てないとばかりに、もう手には御馳走のお皿がのせられる。「やー。じいさん。良かったな。いい顔色だ」と馴染みの顔が声をかける。耳の遠い正さんは、聞こえはしないが顔を緩ませ笑顔が光る。

その日の夕方、いつもの晩酌の後、タバコを吸いながら今は亡き写真の奥さんに話される。「お大師さんに行けた。出かけられただけで幸せだわいな」小さな事を幸せと感じられる心を育ててこられた正さんの良心を見る想いだった。

最近見たビデオの中の言葉を思い出す。 「人は誰でも生まれながらに美しい心を持っている。その心を汚さずに鏡の様に締麗にしておく事が大切である」と……。 両親から頂いた良心を磨き、どんな時も幸せと感じられる心を育てる事こそ大切と教えた幸齢者様に感謝、感謝。

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看取りの手びき 介護のこころ

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