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介護日記 (134) 〜温もりの中に未来の光を〜

春一番がふいたおかげでとても暖かくなり、山の木々も新芽を膨らませ、若葉の季節を連れてきた。

そんな島に、一人の女性が訪ねてきた。彼女は 97 歳の御祖母様を特別養護老人ホームへ預けているという。「とても優しかった御祖母ちゃんを施設に預けながら、こうして私達は暖かな家族の中に暮らしている。本当にこれでいいのでしょうか? 障がいがあるからと、あんなに愛を注いでくれた御祖母ちゃんを施設に預けることに、私はとても苦しい思いをしています」と、私に語る。

「そのあなたの優しい心を大切にして下さい。障がいがあっても家族の中で暮らしたい、そう願われています。ですが、家庭の沢山の事情の中でそれができないとしたら、どうか余った時間を御祖母ちゃんのために使ってください」と話すと、彼女は大粒の涙を流してこう言った。「私は辛くて、御祖母ちゃんのそばに行くことを今まで避けていました」と。

「あなたの大切な宝物をなぜ遠ざけるのですか? どうかあなたの宝である御祖母ちゃんを抱きしめて、その温もりをしっかりとあなたの心の中にうつして下さい。あなたが未来に苦しい時、悲しい時、その温もりがあなたを救います。今御祖母様の温もりはあなたの未来の光です。ベッドの中にともに入って眠りなさい」彼女の手を握りともに泣いた。

静さん (89) 。認知症を持ちながらいつも優しい心の持ち主だ。「頼むっちゃ」という声にそばに行くと「まあ、休め」とベッドを空けてくれる。静さんのベッドで隣に休む私に静さんの温もりが伝わる。自分の寒さもいとわずに布団をかけて私のことを気遣う。静さんに今は亡き母をしのぶ。幼い日の思い出をかみしめてその温もりに救われる。

私の尊敬するマザーテレサは言う(私はクリスチャンではないが)。「真の愛は痛みを生む原因となります。母親は一人の子供を生むためには苦しまなければなりません。もしあなた方が本当に愛し合っているならば、犠牲を厭うことはできないはずです」

心の痛みを持ったまま、幸齢者様の下へ通っていくことが、心に温もりを満たすこと、私達自身の希望を手にすることと信じている。

私達に未来の光までも下さる幸齢者様に感謝、合掌。

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