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介護日記 (171)  〜魂の旅に添う〜

早朝のなごみの里は、鳥の声と幸齢者様の安らかな寝息が広がる。

昨日届いた、講演を聴いて下さった方からの手紙を読む。

初めてお便り致します。……在宅で実母の介護を有り難いことに24時間させて頂いています。84歳です。去年の暮れから食事が入らなくなり、すでに末期で、1年はもたないと言われました。

主人とはじめは少しでも長生きして貰おうと、治療をお願いしようと決めていましたが、母は帰りたがっているので、母の好きな様に暮らして貰おうと、退院しました。それから1ヵ月、日々弱っていく母と暮らしながら、これで良かったのかなと、ふと迷いそうになります。

精神的なケアで60%の痛みは感じないとご本にありましたが、足もパンパンになり黄胆も進行しているのに、不思議な事と痛みがないのです。ですが、本当に別れの日には、自信がありません。もう一度、お目にかかりたいのです。看取る力を下さい。

すぐにお電話し、病床の幸齢者様を見舞う。初対面なのに、不思議と心が通い合う。手を握り、体をさする。体は腫れているが、痛みは無く、もう目を開けることもできないほどに衰弱が激しい。手を握り、長い静かな時間が流れる。ふと私の脳裏に母のその時の言葉が浮かぶ。

死んだ父さん、じいちゃんがお迎えが来てくれた。もう大丈夫。神様にも出会ったよ。

その話をお伝えすると、しっかりと目を開け、手を握り返し「ありがとうございます」と泣き出される。死への不安が取れたと笑顔すら見せられる。魂に寄り添い、重ねあう事の尊さを教えた幸齢者様に感謝、合掌。

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