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介護日記 (183) 〜愛を手渡して〜

連休の真ん中、出雲なごみの里に大学生4人が見学に訪れた。出雲なごみの里がお預かりする幸齢者様は4名。スタッフ9名、ボランティアさん多数という恵まれた環境にある。「オーイ」と呼ばれたら、直ぐに行く。「待って下さい」はない。酒もタバコも勿論大丈夫。最大限わがままに暮らしてくださいと申し上げている。

その里に学生さんの見学。「尊厳とは自己決定権、自分で決めること」と、その方の最期を大事にする活動ですと話しはじめると、夢中で聞き入って下さった。

2時間ほどお話し、最後に孤独死の話になる。一人の女性がこらえきれず、ハンカチで目頭を押さえた。

「私には、おばあちゃんがいます。でも遠く離れて暮らし、何もしてあげていないことに気づきました。これから手紙を書き、電話をします。孤独死でこんなに多くの方々が亡くなられると知り、残念でなりません」

愛は自分の時間を相手に捧げること。私の入院中、母は一人では歩けない身体にもかかわらず、毎日病院に来てくれた。そして私の手を握りながら、こう言った。

「もう貴方にあげる物は何もない。でも温かい手がある。愛がある。早く良くなってね」と。

この女性はこれから、おばあちゃんのために、自分の時間を手紙を書くために、電話をするために使うと言う。

涙は唯一、人間の排出物の中で美しい物。涙こそ心を清めると言う。たくさんの涙の後、彼女の顔は輝いて見えた。貴重な休みの日を使い、浜田から時間をかけて幸齢者様を訪ねて下さった皆様の愛を感じた私であった。

次世代の若い方々を気づきへと導いて下さった幸齢者様の存在に感謝 合掌

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