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介護日記 (197) 〜愛に支えられて〜

庭のびわの実がたくさん熟し、鳥達の賑やかな歌声が心地よく聞こえる。

エンゼルチームの依頼がある。エンゼルチームとは、介護保険を全部使いはたし、それでも人手がないと暮らせない人たちのためにある、見守りボランティアの仕組みだ。一人の人に5人から10人程度のボランティアさん(エンゼルさん)で対応、人と人の絆を深めていく無償ボランティア活動。独居で身体が不自由な方々にとって、誰かが傍にいることほど安心できることはない。今回は、オムツを付けながらも在宅に一人で暮らされる良子さん(64歳)からのご依頼。

良子さんの介護を担当する皆さんとの打ち合わせに参加する。病院から退院した当日だった。これからのお一人での生活を支えるための会議。お一人暮らしの不安を解消しようとデイサービス中心のお話が進む。そうすると、介護保険の限度額を超えて、夕食を提供するヘルパーさんの時間が取れない。

お話が進むほどに不安がつのり、思わずみんなの前で涙ぐむ良子さん。施設入所を頑なに拒んで自宅に帰られたのだが、その裏にある孤独と不安。良子さんの内にある心の重さに一同、言葉を失った。ヘルパーさんの使えない、その夕食提供をエンゼルチームがさせて頂く形になる。

初めてお会いした良子さんだが、その不安そうな眼差しが自分自身の不安のように思え、帰宅した後、涙が止められなかった。この方は私なのだと思えた。しっかりと寄り添い、やさしくやさしくやさしく尽くそうと決める。弱き人々の傍らで生きていける我が身を心からありがたいと思えた瞬間だった。

健康な人生の意味は自分より不便な人々に尽くすためと母に教えてもらった。少しでもそう生きていける道にあることが私の喜び。良子さんの凛とした強さと、その裏に隠された崩れそうな弱さ。このバランスのとり方こそが人の心を感動させると教えた幸齢者様に感謝 合掌

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