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看取り士日記 (247) 〜抱きしめあう命〜

紅葉のはじまる福岡の講演会。福岡に以前住んでいたと話すと、会場から拍手が起こる。「袖すり合うも多生の縁」この言葉の奥の深さ、またその土地に暮らすことの意味を教えていただいたように嬉しく思う。

その後、看取り士の皆様との打ち合わせを行う。その中のお一人が、ひどい咳が止まらないと話す。

「旅立つ方の看取りの時、私の魂と重なってくださった方の光を閉じ込め続けることが辛い。個人情報保護、守秘義務と言う枠の中で働くことに疲れ、退職しました。

最期の瞬間、看取る人々に25メートルプール529杯分の水を瞬時に沸騰させるほどのエネルギーを渡すと言われましたが、受け取った私はもっと自由に、もっとおおらかにこの感動を一人でも多くの方々にお伝えしたいんです」

看取りと言う人生最大のステージでのご縁。その感動を閉じ込め一人悶々と暮らす日々がどれ程辛いことか、彼女の身体が物語る。ひとしきり話し終わると、彼女の咳は止まっていた。

抱きしめて送った方の魂のエネルギーを他者に分かち合うことによって看取り士としての仕事は完了する。私たちの夢は、マザーテレサの果たせなかった夢「全ての人が最期、愛されていると感じて旅立てる社会創り」にある。

命をかけて抱きしめあった方とのご縁はどの場面より深いご縁、その現場の感動を分かち合うことによって、多くの人に死の尊さを伝えることができる。そんな一隅を照らす役割を持つ看取り士さんに手を合わせた。そしてまた私自身、一人の看取り士として精進し、積み重ねていきたいと心新たに思う。

おおらかに自由に生きることを教えてくださるご縁ある方々に感謝 合掌

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