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看取り士日記 (259)  〜看取りは第二の誕生〜

秋の空を見上げながら、看取らせていただいた方々を想う。傍らに萩の花が美しい。そんな中、看取り士のNさんから連絡をいただく。

「お忙しいのに、朝早くにすみません。叔母の件ですが昨夜から血圧が下がりはじめ、痛みからか苦しい顔をするようになりました。最期を迎える時はなにをしたらいいのでしょうか? 体温がなくなるまで、保冷剤などいれなくてよいですよね。しっかり、看取り、魂のバトンを受け取ります」

私は彼女の質問にこう答える。

「大丈夫です。皆様でおば様との楽しかった思い出にありがとうを添えてお話下さい。聞こえています。痛みは孤独。七割は触れる事で取れます。大丈夫です。手を置いてぬくもりをおば様に渡して下さい。

保冷剤は12時間必要ありません。ゆっくり呼吸を先ずは自分がして下さいね。おば様の、そして皆様の平安をお祈りしております。共にいます」

彼女は何日も寄り添い続け、叔母さまの魂と重なった。

「水曜日、朝の5時40分、叔母が旅立ちました。3日の夜あたりから、血圧が安定せず、酸素も最大に入っていました。おしっこの出も……足先から浮腫みも……祈る思いで、毎日付き添いました。大丈夫、大丈夫。一緒にいるからね。ずっとずっと、一緒にいるからね。身体を摩りながら、話しかけました。

私の言葉が聞こえたのか、何度か首を動かしてくれて、ちゃんと、聞こえてる。と感じました。痩せた身体を摩りながら、涙がとまりませんでした。

私がいるから、1人じゃないよ。一緒にいるからね。ただ、ただ話しかけ、祈りました。

呼吸の間隔がだんだん、ゆっくりとなり、生ききる姿をみせていただき、生まれてきてくれて、ありがとう。と感謝でいっぱいになりました。

私の為に、生ききることを、命がけで教えてくれた叔母。呼吸がとまり、温かい身体をだいて、ありがとうを何度も何度もいいました。目でみるもの、耳で聞こえるもの、匂い、体で感じる全てが、心地よく幸せな気持ちになりました。

今も、これからも、ずっとずっと、私の心に叔母がいてくれている。ありがとう、ありがとうと感謝しかありません」

先日お会いすると、Nさんは今までにはないほどの清々しい氣をまとって私の前にあらわれた。

看取りが再誕生であると教え導いてくださったお二人に感謝 合掌

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