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看取り士日記 (263)  〜慈愛に包まれて〜

なずなの花の可憐さに、捧げる愛を教えられる季節。

看取り士養成講座も終わり、ほっとした私に夜遅く1本の電話。

「母が……」

かねてからご相談中の娘さんからだった。

「直ぐに行きますね」と言うが、「約束の27日に来て下さい。そして柴田さんが来るまで母が待つように祈りをお願いします」とのこと。娘さんが言われたとおりに一晩中祈る。

朝の光がまぶしい。親子の愛は全てに勝ると教えられた私。輝く朝を迎えられた事に感謝、感動したその夜に「母が旅立ちました。でも看取り士の柴田さんに来て欲しい」そんなご連絡をいただく。

旅立たれて13時間というお母様のご自宅にうかがう。お母様の慈愛がお部屋中にあふれている。ドライアイスをどけ、美しいお母様の頬に私の手を触れる。しばらくするとあたたかくなり、私の心が満たされ、私の身体が熱くなる。そしてお母様の肩に、腕に、手に触れる。私の手に娘さんの手を重ねながら触れ続ける。

突然、娘さんは腹ばいになり、しっかりとお母様を抱き抱え「ありがとう。ありがとう」と、その目からは涙があふれでる。穏やかに、お母様の魂のエネルギーを娘さんは受け取られた。これこそがグリーフケアと私は感じている。

以前、離島暮らしの時、人は臨終の後7日間はその身体に魂が戻れると言われ、7日間お身体がそのままであったことを思い出す。

ノートルダム清心女子大学の保江邦夫先生が、先日出版された著書『神と人をつなぐ宇宙の大法則』の中でこう述べられていた。

「看取り士は自我を取ってあげて、霊魂がさまよわずにすむ、お手伝いをしているような気がします」

お母様を安らぎの世界に送られ、娘さんもまた、お母様の命のエネルギーを受け取られる。こんな尊い場面にいさせていただける幸せを噛み締めている。

人間って素晴らしい。生かされていることの喜び、歓喜を感じさせていただける旅立ちという尊い場面。私を命懸けで導いて下さる方々に感謝 合掌

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